縁起の良いお餅ヒメノモチでお相撲さんと村おこし

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いよいよ五月場所が始まりますね。
ゴールデンウィーク、東京・両国の国技館で開かれた楽しそうな村おこしお餅つきイベントのことを書こうと思います。
昔ほどではないけれど、あちこちで開かれているお餅つき。
そのなかでも
このお餅つきはとってもハイパースペシャル
でした。
スペシャルさの観点は3つあって

その1 村の珍しさ
その2 お餅つきスタイルの珍しさ
その3 お餅と結びつけた付加価値の珍しさ

この3要素が絡み合って、希少価値を生み出しているところに感動して帰ってきました。
では一つ一つ熱く語りたいと思います。
その1 村の珍しさ
まず、お餅をつく人たちのバックグラウンドが珍しい。
主催は岡山県新庄村(しんじょうそん)。「山形県の新庄じゃありませんよ~」と職員さんが明るく冗談言ってましたが、何が珍しいかというと
人口約1000人、380世帯の村(新庄村ウェブサイトより)
なんです。
平成27年の国勢調査によると人口866人。
といっても、全国で1番ではなく、32番めに人口が少ない村。もっと少ない村だと、原発関連で全村民が避難していた浪江町とかは当然人口ゼロ。あと、東京都でも青ヶ島村とか利島村は人口300人台。なので、新庄村だけがとびきり人口が少ないわけではありません。
が、日本の人口が1億2711万0047人のうちの866人と考えると、とっても少ない。
そんな村の人たちが岡山から東京にPRにやってきた!というのはインパクトありました。
しかし、正直言って、もしかしたらこういう村おこし地域おこしイベントってよくあることで、目新しくもないかも。
東京にはほかの県のアンテナショップがたくさんあって、年中あちこちでいろいろなイベントをやっているので…。
その2 お餅つきスタイルの珍しさ
でも、このお餅つきはそれだけじゃない。
お餅つきの方法が珍しかった!
それは

水を加えずに4人一組できねを振る村伝統の手法2017/04/22 山陽新聞

この方法のどこがすごいかというと
4人で搗くことで
あっという間に搗き上がる(1分くらい?)
(餅つきのコツはとにかく早くやること。のんびりやっていると米粒が残ったり、冷えてしまう)
さらに、この搗き方にコツがあり

Aさんが、臼の中の餅めがけて杵を振り下ろす

Aさんは餅に突き刺さった杵をくるっと動かして餅をコネる

Aさんはコネたお餅を杵で動かし、Bさんの目の前に移動する。

Bさんが、臼の中の餅めがけて杵を振り下ろす

以下、CさんDさんAさんBさん…と繰り返す

工程2のところで、お餅をコネるので、コネ手がいらない。搗き手だけで、搗いてこねていくのです。これが目にも留まらぬ速さ!
静止画でこの感じ伝わるでしょうか。IMG_7996.JPG
そしてこの方法だと、コネ手がいなくて、手水をつかわないので、水っぽくならない!
ライブ感がすごいし、説明している職員さんもすごい楽しい。

「村では餅をつけない男など、一人前ではないと言われます。私は搗けないのでまだ一人前ではないです


とか。
でも、地方によっては二人以上でやる「早搗き」はあるので、珍しくないという人もいるかも。
で、3つ目の素晴らしい要因は…


そこで三番目。 お餅と結びつけた付加価値の珍しさ
村長さんたちの売り込みが成功し、芝田山親方(元横綱大乃国)に特産のモチ米「ヒメノモチ」をPRする「新庄ひめのもち大使」になってもらったこと。
IMG_7952.JPG
岡山産ヒメノモチってどんなお米かと調べてたら、ネットで買える!

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ひめのもちもち米【岡山県新庄村産】 1.5kg ^
価格:1180円(税込、送料別) (2017/11/8時点)

ひめのもち、じゃなくて、ひめのもちもちですよ!
こちらのサイトでは新庄村についても詳しく書かれてます。
(岡山産直品のサイトだからですね)
食通の芝田山親方に何を売り込んだかというと、
ヒメノモチのおいしさだけでなく

粘り(粘り腰につながる)
白さ(白星につながる)
水を使わない(水入りがない)

のキーワードが、角界にとって縁起がいいという点。おお!たしかに!
芝田山親方のバックアップで、縁起物として年末年始の贈答品に使ってもらったり、今回の国技館でのお餅つき開催も実現したのでは?
日本全国あちこちにおいしいお餅があって、作り手の方たちは「本当においしいよ」と胸をはり、私達も本当においしいとしみじみ思う。
でも、ハイレベルなお餅はそこだけでなく、広い日本全国にたくさんあるのも事実。
だとしたら、おいしいプラスアルファで知名度を上げていくのが賢い方法ですよね。それはわかっていてもなかなかいい方法を探すのは難しいことでしょうに。
お相撲さんのお餅つきってよくあることだけど、お相撲さんが縁起のいいお餅をつくとか食べるっていうのは本当に新しい発想だよなあ。
こういうふうに伝統のおいしさと新しさが合体した楽しい試みが広がるといいな。
五月場所にヒメノモチの出店とかあるかな?
…と熱く語りすぎて長くなってしまいました。失礼しました。新庄村のお餅つきの感想と動画はInstagramにも書こうと思っています。書きました!
岡山にかぎらずヒメノモチは餅米の王様なのかな

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