毎年なんとなくシーズンが来て、なんとなく食べている柏餅。
先日、「最近の人は、茶色い葉っぱをいやがるから…」という話を和菓子屋さんの店頭で聞いて、???と記憶をプレイバックさせてみたら…
たしかに昔の柏餅の葉っぱは茶色かった気がする!
柏餅教室の先生も

「昔は、乾いた柏の葉を水でもどして使っていて、気をつけないと乾いた葉が欠けてしまうので気をつかった」

とおっしゃっていたので、私の記憶とも合致するようです。
で、今の柏餅の葉っぱは緑だわ!
先日のお教室で配られた葉っぱはこんな感じ。IMG_7818.JPG
じゃ、なんで最近の葉っぱは、鮮やかな緑になったんだろう?
桜餅の葉っぱは食べても柏餅の葉っぱを食べる、という人に会ったことがないのだけれど…
調べてみると、時代をさかのぼること30年前!の新聞記事で発見しました。1987年4月29日付読売新聞朝刊の

「柏もち 伝統の味に“製造異変” 包む葉の九割は輸入」

という記事。(著作権の関係でリンクできません。というか、リンクしてもたぶんお金を払わないと開けないシステムのはず)
異変」と見出しに書いてある、ということは、30年前はまだ従来の茶色い葉っぱが主流だったのかな。
記事によれば

「今年お目にかかる分は、実は昨年収穫されたものを保存し、使っている」

とのこと。理由は

「葉が生長し、品質が定まるのは気候などの影響もあるが、平均すると五月二十日から六月初旬。これでは、端午の節句には間に合わない。」

から。
そうだったんだ!葉っぱに顔を近づけると、いい香りがするので、フレッシュなんだと思いこんでましたが、
採取→乾燥させて保存→使用時に水で戻す
から茶色だったのか!
それが技術革新によって、

「数年前から生の緑色を保つ真空パック製が開発された」

と記事には書いてある。1987年の数年前だから1980年代前半から緑の葉っぱが登場し始めたんですね。上野忠という和菓子材料の会社<が他社にさきがけて開発したようです。
Step1 採取
Step2蒸す
Step3塩漬け
Step4ゆでる
Step5真空パック
という流れでしょうか。技術革新てすごい!
なにげなく、お餅をくるんと包んでいる柏の葉っぱも掘り下げていくと本当に奥深いことです。